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Hyperledger Fabricの概要とブロックチェーンの活用事例勉強会に行ってきました!

今回は、Hyperledger Fabricの概要と、ブロックチェーンの活用事例という勉強会に行ってきました。日本IBM株式会社 東京基礎研究所の吉濱佐知子様をお招きして、 Hyperledger Fabricについてのお話をしていただきました。これから就職活動を控える学生の皆さんはもちろん、若手社会人の方々にとっても、非常に面白い内容となっていましたので、シェアさせていただきます。

今回の記事は、ビジネス的な視点に立ったものとなっています。技術系の仕事をされていない方も楽しめる内容となっていますので、是非とも御一読いただけると幸いです。

それでは、早速始めていきましょう!

 

目次

  • Hyperledger Fabricの紹介
    • Hyperledger Fabricとは
    • Hyperledger Fabricの特徴
    • 要点は「開発を進めるプラットフォームを提供すること」
  • ブロックチェーンの活用事例
    • ユースケースその1〜効率的なデータ共有〜
    • ユースケースその2〜ダイヤモンドのアイデンティティ
    • ユースケースその3〜スマートコントラクトを活用した契約管理〜
  • ブロックチェーンに関する課題
    • EU
    • 東アジア
  • まとめ

 

 

Hyperledger Fabricの紹介

まず、Hyperledger Fabricという技術について説明していきます。お恥ずかしながら、私のような非情報系の学生にとって、このHyperledger Fabricという言葉は聞きなれない言葉でした。

ここでは、Hyperledger Fabricの概要を、なるべく噛み砕いて説明していきます。

 

Hyperledger Fabricとは

 

そもそも、Hyperledger Fabricとは一体なんでしょうか?公式サイトの文章を引用すると、以下のような説明になります。

The Linux Foundationがホストするビジネス・ブロックチェーン・フレームワークで、モジュラー・アーキテクチャーによるブロックチェーンのアプリケーションやソリューションの開発基盤となることを目的としています。Hyperledger Fabricにより、コンセンサスやメンバーシップ・サービスなどのコンポーネントのプラグ・アンド・プレイが可能です。

Hyperledger Fabricでは、オープン・ソースのベスト・プラクティスを活用する一方、ビジネス環境における機密保持性と拡張容易性を確保しています。

いかがですか?正直、私はよくわかりませんでした。そこで、一つ一つ聞き馴れない単語を調べてみました。
  • The Linux Foundation

Linuxオペレーティングシステムの普及をサポートする非営利団体のこと。

  • フレームワーク

さまざまなシステム開発を効率化してくれる機能群のこと。機能群だけではなく、ソフトウェアの骨組みまでを用意してくれているため、少ないコードで意図する機能やデザインが実現できる。それぞれのフレームワーク特有の書き方を学ぶ必要はあるが、プログラミングのビギナーにとって、とても重宝するもの。

  • モジュラー・アーキテクチャー

構成要素(部品)を一定の基準や結合ルールに基づいて規格化し、組み合わせによる設計・製造を可能にした製品アーキテクチャのこと。部品の相互調整の手間を最小化するため、迅速な製品設計・製造が可能となる。同時に製品システムの進化や改善をモジュール単位で行えることから、技術革新やイノベーションを加速することができる。

このように、少しずつ噛み砕いていくとわかりやすくなりますね。

 

Hyperledger Fabricの特徴

 

Hyperledger Fabricの大まかな特徴は、以下の通りです。

  • 共有台帳
  • スマートコントラクト
  • 強固なセキュリティ
  • コンセンサスをとる仕組み

普通、ブロックチェーンというと、ハッシュチェーンで繋がったブロック状のデータがある状態を想起される方も多いと思いますが、Hyperledger Fabricでは、これに加えてリッチなデータを格納することができるステートデータベースをもっていることが特徴的です。

また、データを共有するだけではなく、ビジネス上のルールを共有する仕組みが大切です。Hyperledger Fabricでは、これを共有する仕組みとしてスマートコントラクトを実装しています。

業務で使用する場合は、アクセス制限をしたり、データを暗号化して転送する仕組みを実装してあったりと、データの扱いに関しては、強固なセキュリティを意識した設計となっています。

コンセンサスをとる仕組みについては、マイニングに関する問題点などを解決する仕組みになっています。例えば、マイニングをするときに、膨大な量の計算をする必要があるため、電気代がどうしても高価になってしまいました。しかし、そうした問題点を解決し、安全に合意形成ができる仕組みを整えたのが、このHyperledger Fabricです。

 

要点は「開発を進めるプラットフォームを提供すること」

 

ここまでのお話をお伺いして私が感じたことは、ブロックチェーンを活用したサービスを開発するためのプラットフォームを提供することが、大企業でブロックチェーン開発に関わる醍醐味だということです。

IBMが開発を進めるこのHyperledger Fabricプロジェクトは、金融系を中心とした多くの有名な企業を巻き込んでいます。名前を出すことはここでは控えますが、みなさんがよく知っているような名だたる企業が、Hyperledger Fabricを活用したシステム開発に取り組んでおり、IBMの影響力の大きさが伺い知れます。

結局大切なことは、いかに多くの人々に新しい価値を提供することができるかということだと思います。前回の記事でご紹介したように、新しい会社でしかできないことがあるのと同様に、大きな会社でしかできないこともあると私は思います。

結局、ブロックチェーンは、チェーンの上に立たせるノードの多さが大切になってくると思います。ノードの数が少ないと、結局はブロックチェーンのメリットを享受することができなくなり、わざわざブロックチェーンでネットワークを構築する必要はないのではないかなあ、なんてことになりそうだなと思った次第です。

何度も繰り返しますが、大企業ならではの旨味、それは多くの人々を巻き込むことができることだと考えます。大企業の定義は人によって異なりますが、そういう細かい話は置いておいて、結局多くの人々に新たな価値を提供することが大切だと思います。

 

 

ブロックチェーン活用事例

さて、お話に戻ります。吉濱さんは、ブロックチェーンを活用する事例は多様化していると指摘していました。

もともとブロックチェーンを活用する事例としては、仮想通貨から歴史が始まったこともあって、単純な価値を提供することが一般的でした。そこから発展して、送金のコストを下げる事例などが出てきました。

ただ、コインだけではなく、もっと色々な情報を提供するための基盤としてブロックチェーンを活用しようという動きが始まり、再保険や契約管理などのビジネスプロセスを利便化しようという動きが始まったそうです。

また、ブロックチェーンというソリューションを導入する業界も、最近は変化してきていると吉濱さんは指摘します。もともとは金融系の企業を中心にブロックチェーンを導入しようという動きが強かったそうですが、最近は非金融系の業界に属する企業にもブロックチェーンを導入する事例が増えているそうです。

 

ユースケースその1〜効率的なデータ共有〜

 

これは、パートナー企業がサプライヤーからものを買うとき、購買に関するデータを共有するという仕組みです。IBMさんの事例なので詳しくは省略しますが、ブロックチェーンを活用して、ビジネスの利害関係者の間で購買に関するデータを共有することができる仕組みです。

公認会計士事務所でインターンシップをしていた時に感じたことなのですが、クライアント企業がどこにどのくらいお金を使ったかという事実確認をするためにかかる時間がとても膨大でした。お客さん自身も覚えていない場合、共有に時間を取られてしまい、結果として他の業務に時間を咲くことができなくなってしまうという問題が頻発していました。

これは、情報共有基盤として、とても有望なものではないでしょうか。

 

ユースケースその2〜ダイヤモンドのアイデンティティ〜

 

ダイヤモンドの証明書の偽造を防ぐ仕組みです。属性情報をブロックチェーンに登録して、証明書の改竄を不可能にしました。詳細は省きますが、これまでもダイヤモンドの偽造に関しては多くの問題点が指摘されていました。

すでにご存知の方も多いとは思いますが、ブロックチェーンはハッシュ関数という一方向関数を用いています。つまり、復号が事実上不可能な関数を用いて、少しでもデータの改竄をした場合、全く異なった値が出力されてしまうアルゴリズムを用いているので、セキュリティが非常に堅牢です。

 

ユースケースその3〜スマートコントラクトを活用した契約管理〜

 

今日の契約管理は、社内の手続きが煩雑であったり、契約書の内容が実は間違っていたりなどで、非常に非効率的であることが散見されます。しかし、こうした仕組みもブロックチェーン上で行えば、非常に効率的になります。

様々な承認作業をブロックチェーン上で行うことにより、手続き全体が改竄不可能なデータになります。書類を全て電子化して、承認作業を自動化することにより、現行の非効率的な承認プロセスを効率化することができます。

この技術は、業務プロセスにも応用できます。ある企業AがサプライヤーBからものを買ったとします。この購買活動に関わるデータを全てブロックチェーン上におくことで、ビジネスのステークホルダーが事実上改竄不可能になります。

ここで私が思ったことは、「ERPなどの業務管理システムをブロックチェーン上におくことにすれば、より業務を効率化することができるのではないか」ということです。これについては少しリサーチが必要ですが、単なる業務統合システムより、前途有望な技術なのではないかと感じました。

 

 

 

ブロックチェーンに関する課題

ここからは、未だ発展途上のブロックチェーンに関する当面の課題についてお伝えします。

上述したように、ブロックチェーンはとても前途有望な技術です。しかしながら、当局が設ける規制は、ブロックチェーンの進化に追いついていないという事実もあります。

 

EU

 

EUはデータのプライバシーに関する厳しい規制を設けており、その保護について慎重な姿勢をとっています。EUでは、今年5月に新たにGDPR(General Data Protection Regulation)が発行されました。これは、EU市民がプライバシーの侵害に関わるデータの削除を要請する権利を定義して、データのプライバシー保護の統一を図るものです。

しかし、よく考えてみると、この権利は、ブロックチェーンの「改ざん不可」かつ「分散した」データの技術と矛盾する可能性が高いですよね。新しいGDPR基準は、EU市民が自分のデータを管理する基本的な権利を持つべきだとする道徳的基盤をベースにしています。

 

東アジア

 

最近の仮想通貨ブームに乗じて、東アジアでも規制が強化されてきました。

例えば、中国。中国は今まで仮想通貨の国際的な避難所と考えられていましたが、中国の人民銀行がICO(Initial Coin Offering)を2017年に禁止したことを契機に一変し、仮想通貨の取引が認められなくなりました。韓国はこれに続き、ブロックチェーン技術は国内では奨励される一方、国内のICOは解禁の兆しは見えますが禁止されています。

また、我らが日本は、仮想通貨ビットコインを通貨であるということを認め、法律に基づく明確な分類を求める企業に対し、世界で始めて仮想通貨交換業ライセンスを発行しました(参考:金融庁HP)。しかし、コインチェックの事件やを機に、規制強化の動きが強くなっています。

 

このように、ブロックチェーンを用いる技術に関しては法整備が未だ完全とは言い切れません。前途有望な技術なだけに、早めのに法整備がされることを祈りましょう。

 

 

まとめ

今回は、Hyperledger Fabricの概要と、ブロックチェーンの活用事例について、ビジネス的な視点からまとめてきました。事例については、あまり深掘りしませんでしたが、これはオトナの事情で割愛しました。興味のある方は、是非ともご自身で調べていただきたいと思います!

今回の記事のポイントは、以下の通りです。

  • ブロックチェーンのコミュニティの中心となれることが、大企業でブロックチェーン開発に携わることの醍醐味になる
  • ブロックチェーンの活用は、非金融領域に広がってきている
  • ブロックチェーンに関する法整備は未だ完全とは言えない

これからが楽しみなブロックチェーン。次回は、より技術よりの内容でお届けします。お楽しみに!

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