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『ブラックスワン (上)』を読んで【これからの時代必須の教養】

今回は、『ブラックスワン』を読んで、その要約や感想を書いていこうと思います。

ところでみなさんは、「ブラックスワン」という言葉を聞いたことはありますか?ブラックスワンを日本語訳すると、「黒い白鳥」ということですが、「ブラックスワン」とは、マーケット(市場)において、事前にほとんど予想できず、起きた時の衝撃が大きい事象のことをいいます。

そもそも、人々は全ての白鳥が白色と信じていました。しかし、オーストラリアで黒い白鳥が発見されたことにより、鳥類学者の常識が大きく崩れることになったという出来事から名付けられ、転じて確率論や元々の知識や経験では予測できない、極端な現象が発生し、その事象が人々に多大な影響を与えることを総称したものとなっています。

https://www.ifinance.ne.jp/glossary/souba/sou203.html より

つまり、ブラックスワンとは、今までの伝統的な考え方では予測できなかった出来事を指します。なにかと最近流行りのこの考え方。これは、従来の手法では解決できない問題が増えてきた現代こそ、知っておくべき考え方だと思います。

今回は、このブラックスワンという考え方について書いていこうと思います。

目次

  • はじめに
  • ブラックスワン の条件
  • ブラックスワン の例
    • 東日本大震災
    • アメリカ同時多発テロ事件
    • トランプ大統領の誕生
  • 現代にも通じる思考法
    • VUCAな現代で必要な思考法
    • プラトン性とは

 

はじめに

昨日までは全く予想していなかったことが、今日の常識になってしまう。そんな体験をしたことがある方は多いのではないでしょうか?いや、この記事をご覧になっているみなさんは全員がこういった体験をしているはずです。ブラックスワンとは、こういう体験を指します。

ブラックスワンは、実はあなたの周りにいるかもしれません。今日の非常識は明日の常識になっているかもしれません。

 

ブラックスワンの条件

『ブラックスワン』の著者、ナシーム・ニコラス・タレブは、ブラックスワンの条件について以下の3つを備えるものだと定義しています。

  • 予測できないこと(異常であること)
  • 非常に強いインパクトをもたらすこと(大きな衝撃)
  • いったん起きてしまうと、いかにもそれらしい説明がなされ、実際よりも偶然には見えなくなったり、最初からわかっていたような気にさせられたりすること(でっち上げ)

ブラックスワンとは、ただ予測ができないものというだけではありません。インパクト、つまり私たちの生活に非常に大きな影響を及ぼすもので、かつ「最初からわかっていた」という趣旨の説明をされてしまう事象のことを指します。

なんか、言葉面だけ追いかけていてもよくわかりませんよね。私も実際読み進める中で、例を示されたことでブラックスワンとは何かを掴めたような気がします。

そこで、みなさんにもブラックスワンとは何かを掴んでいただきたい!ここからは、ブラックスワンの実例について見ていきましょう。

 

ブラックスワンの例

ブラックスワン。「黒い白鳥」とも訳されるその事象は、私たちの身の回りに溢れかえっています。ここからは、そうしたブラックスワンの実例を見ていきましょう。

例1. 東日本大震災

ブラックスワン一つ目の例は、2011年3月11日に突如発生した東日本大震災です。2011年3月10日にあのような規模での大きな自身が発生するということを確実に断言できた、なんていう方はどれぐらいいらっしゃいますか。少なくとも筆者の周りには誰にもいませんでした。

実際に自身が起こってから、気象庁がいかにもそれらしい会見を開いてくれましたよね。「今回の自身の原因は、◯◯だ…」などという、いかにも論理的な、筋道を立てた説明だった記憶があります。

しかし、東日本大震災がそのように論理立てて起こったものであるとしたら、なぜ事前に予測することはできなかったのでしょうか?後から論理的に、筋道を立てて説明するのは気象庁ほどの専門家ならば簡単なはずです。しかし、やはりどうしても事後的な説明になってしまいます。

東日本大震災などは、上記の3つの例を完全に満たすもの、つまりブラックスワンの一つであると考えられます。

例2. アメリカ同時多発テロ事件

2001年、アメリカで突如として起こったアメリカ同時多発テロ事件、通称9・11テロ。私はまだ幼稚園児でしたが、幼心にその悲惨さはなんとなく覚えています。それほど世界を大きく震撼させた事件だったのですね。

朝起きて、何気なくテレビを見ていたら、突如としてテレビの映像が変わり、ビルの中に飛行機が突っ込んでいく映像が流れました。特に両親が「うわあ…」といっていた姿は印象的でした。

当時、そういった大きな事件を予測していた方はいらっしゃったのでしょうか。テロリストがすることほど予測できないものはないのではないかと個人的には思います。やはり予測は難しいのですが、やはりこのアメリカ同時多発テロ事件も、ブラックスワンの一つとして有名な話です。

例3. トランプ大統領の誕生

最近起こったブラックスワンの例としては、アメリカ大統領選挙でトランプ候補が当選したことでしょう。トランプ大統領は、選挙活動中の主義主張から、いったいどれほどの人が勝利をすると予想していたでしょうか。

私は選挙戦当日、大学の講義に参加していました。友達は何人か、アメリカの選挙戦を逐一インターネットで見守っていましたが、彼らは皆口を揃えて「嘘だろ」「予想外」などということを口にしていました。

選挙戦終了後、選挙のコメンテーターなどが、トランプ大統領の勝因をいかにも論理的に話していました。果たして彼らは、本当に選挙戦前からトランプの勝利を予測していたのでしょうか?

やはりトランプ大統領の誕生も、ブラックスワンの一つとしてカウントされる出来事でしょう。

この他にもブラックスワンに分類される出来事は山ほどあります。このような、突如として起こるもので、かつ私たちの生活が根底から覆されてしまう出来事をブラックスワンと言います。

 

現代にも通じる思考法

この『ブラックスワン』。現代にも応用できる考え方がぎゅっと凝縮されています。

ところでみなさんは、「VUCA」という言葉を聞いたことはありますか?VUCAとは、Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)という4つのキーワードの頭文字から取った言葉で、現代の経営環境や個人のキャリアを取り巻く状況を表現するものです。

現代は、このVUCAという言葉で表されます。

 

VUCAな現代で必要な考え方

VUCAな現代で必要とされる考え方はいったいどういうものでしょうか。その答えは、ブラックスワンの中にあると思いました。

ブラックスワンの3つの特徴を思い出してください。この「異常であること」、「大きな衝撃」、「でっち上げ」という3つの特徴の中で、私が最も大事だと思う特徴は、「でっち上げ」です。この「でっち上げ」が、しばしば私たちの日常生活の中でいたずらをします。

この「でっち上げ」の悪いところは、専門家と称する人々が、あたかも前から予測できたことだと装うことができるようにする性質をもつことです。

彼らはただ、講釈をたれるのがうまいだけだし、もっと悪くすると、こんがらがった数学モデルで人を煙に巻くのがうまいだけだったりする。ついでに、そういう連中はネクタイを締めている可能性が高い

めったに起こらないことが与える効果を過小評価(あるいは完全に無視)している

オタクとは、どうしようもなく枠の中でしか考えられない連中のことだ

彼らがやっていることは、「仕事だから」というだけの理由でウソを重ねるに等しい

一旦立ち止まって考えてみてください。もしもその出来事が起こることが予想できたのならば、なぜ最初から食い止めることができなかったのでしょうか?

これは起こってほしくない(起こることが望ましくない)ことに対しての考え方ですが、私たち人間は、ある出来事があたかも予想通りに起こった、というように後付けで説明する性質を持っていると、著者のタレブは指摘します。

 

プラトン性とは

タレブはもう一つ大切な指摘をします。それは、人間にはプラトン性という傾向がある、ということです。

これは哲学者のプラトンの考え(と人となり)に基づくものだ。人間は地図と本物の地面を取り違え、純粋で扱いやすい「型」にばかり焦点を当てる傾向がある

とどのつまり、タレブが指摘するプラトン性とは、人間は、将来の予測できないことに対しても、従来の思考法を活用し、結果として先を見通すことができなくなってしまう、ということです。

この考え方は、山口周さんが指摘したことと似ています。つまり、人間がプラトン性を持ち合わせているせいで起こる最終的な結果は、正解のコモディティ化です。

正解のコモディティ化とは、人間が皆同じ思考法を用いることで、結局問題に対して得る解答が皆同じになってしまうという事象です。かつてマッキンゼー・アンド・カンパニーは、この思考法を売りにしてコンサルティングを行なっていましたが、やがて時が経つにつれ、人材の流出による思考法の流布などで、皆がコンサルタント的な思考法を活用できるようになり、マッキンゼーの特異性が失われてしまいました。

このように、正解のコモディティ化が起こる現代において、多くのビジネスパーソンに求められていることは、正解の見えない問題に対しての最適解を出していくことです。

正解の見えないことに対して、様々なことに対する議論を重ねて、改めて問題を見つめる。さらに議論を重ねて、もう一度問題を見つめ直す。このサイクル、何かに似ていると思いませんか?

そう。アートをみて、先に起こる事象を議論することと似ています。今世界のリーダーや幹部候補生は、こぞってアートを勉強していることは、こちらの記事でご紹介した通りです。アート作品は、必ず何かしらのメッセージを持っています。このメッセージを読み取ることは、そうそう容易なことではありません。

アート作品は、先の見えない世の中において、とても大切な何かをもたらしてくれる題材なのだと思います。

 

まとめ

今回は、『ブラックスワン(上)』を読んで、その要約と感想をまとめました。主なポイントは以下の通りです。

  • ブラックスワンとは、「異常であること」、「大きな衝撃」、「でっち上げ」という3つの特徴を兼ね備えた事象のこと
  • 多くの専門家と称する人々は、ブラックスワンの登場を軽視する傾向がある
  • プラトン性とは、将来の予測できないことに対しても、従来の思考法を活用し、結果として先を見通すことができなくなってしまうこと
  • これからの時代は、従来の思考法を活用するだけでは通用しない

このように、読んだ本との関連性を見いだすのは面白いです!これから先は、従来の思考法では通用しない問題が山積しています。

皆さんもブラックスワンを一読されることをお勧めします!

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